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不動産投資は損をしやすい?

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世の中には株式、債券、商品、外貨など投資対象が溢れていますが、不動産投資、 それも現物の不動産投資は行動ファイナンス的な観点からは、損をしやすい投資 先と言えるかもしれません。

そのヒントは「所有効果」にあります。

先に挙げた株式、債券、商品、外貨などの投資対象は、どれも「現実的に」所有す る感覚を不動産と比較しますと、相対的に低いと言わざるを得ません。

どこかの会社の株式を購入しても、最近は株券もありませんし、事実上抽象的な存 在です。また、債券、商品、外貨も金融口座でその存在を確認できる程度です。

例えば、一億円のビルを保有しているというのと、ある不動産会社の株を1億円保有 しているというのでは、「現実的な」所有感は前者に軍配があがるのではないでしょ うか。

そして、この「現実的」な所有感こそが不動産投資での合理的な判断を誤らせる可能 性を生み出します。

所有効果というのは、通常、自分の所有するものに対して高い愛着を示し、手放すと きには高い金銭などをその対価として要求するというものです。

また、健康や住環境など取引そのものが難しい所有対象はさらに高額な対価を要求 することで知られています。

※行動経済学を代表する学者のシカゴ大学のリチャード・セイラーの論文によれば、 人は自分の健康を売るときには、買うときの50倍の金額を要求するという研究結果 があります。

ということは、不動産投資家は転売目的で購入した不動産などを長期間保有するなど所 有効果が効けば効くほど、その対価として愛着など本来の価値以上の対価を要求すると いうことです。

これは買い手が要求する価格が気に入らないために、売り手が貴重な売りの機会を 逃す可能性が高まるということに他なりません。

実際にアメリカの不動産市場においては、個人は不動産の販売で業者よりも平均して数% 以上損をしていると言われ、これは個人が住みなれた家に期待する販売価格が想像以上に 高いため、売るのを先延ばしにして、絶好の販売の機会を逃してしまうことがあるからだ と分析するアナリストもいます。

高い所得効果のために、かえって合理的な判断ができなくなる可能性がある不動産投資 は、投資対象としては特に冷静に考える必要がありそうです。

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