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不動産投資と利回りと利用可能性

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まず、不動産投資には表面利回りと実質利回りがあり、ざっと以下の ような式で説明できます。

表面利回り=年間収入÷不動産価格×100(%)

実質利回り=(年間収入-諸経費)÷(不動産価格+諸経費)×100

不動産投資は、不動産投資信託などの影響からか利回りが高いという イメージがありますが、それは「表面利回り」を目にすることが多い からかもしれません…。

これは利用可能性または記憶のバイアスに該当する例です。

マクロ指標であるGDPの名目成長率と実質成長率のアナウンスされる情報量 の違いでも明らかなように、人は目にしやすい数値を記憶にとどめやすい傾 向にあります。

これと同じように不動産投資においても実質利回りを軽視し、表面利回りば かりに目を向けてしまうのは、不動産投資を行う姿勢としては適切ではない と言えるでしょう。

また投資の姿勢についてもっと言えば、実際には上の実質利回りにインフレ・ デフレの数値なども考慮する必要があると言えます。

さて、一方で利回りの源泉となっている年間収入とは主に家賃収入のことです。

株式であれば配当、債券であればクーポンにあたります。

しかし不動産投資における家賃収入は株式の配当とは違いまして、アンカリング と呼ばれる目の前にある「基準」にひきずられる傾向が強く、よほどのことがな いかぎり家賃収入の上昇は望めません。

つまり、実質利回りの上昇は諸経費の削減ぐらいしか有効な手立てはないという ことになります。

またデフレが長く続いた1990年代では家賃収入の下落が続きました。今後の経済 がどのように動くは予想がつきませんが、インフレ傾向であったとしても、上のア ンカリングで説明したように家賃の上昇はそれほど期待できないでしょう。

以上、「利用可能性」と「アンカリング」の2点から考えましても、不動産の利回り は目にする機会が多い表面利回りからかなり割り引いて考える必要があるのは間違い ないようです。

不動産投資を行うときには慎重な判断が求められます。

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